入学試験における記述式問題

埼玉県高等学校の入試問題で記述式の問題が出題されている。数学では、証明問題、図形の作図など。

来年度から始まる大学共通テストで、国語と数学で記述式の問題を出題することの是非が問われた。結局、来年度の記述式問題の出題は見送られた。

見送りを決めた主な理由は、「採点に公平性が保たれない」というところのようだ。

高校入試で数学の記述式の問題を採点してきた者にとって、見送りは当然の結果と思われる。

埼玉県の公立高校では、数年前から1科目100点になり、数学では記述式の問題が出題されるようになった。採点で悩ましいのが証明問題と図形の作図である。最初に採点基準を決めて採点し出すのだが、採点していると想定外の回答が出てきてその都度採点基準を見直すことになる。一通り採点が終わると、次に別の者が採点を見直す(点検1回目)。当然のごとく採点ミスや疑義が生じる。疑義の場合には何人かの教員で議論して採点し直す。そしてまた別の者が見直す(点検2回目)。そこでも採点ミスが見つかる。つまり、同一の答案用紙を3人で採点や見直し(点検)をしても採点ミスが発見されるのだ。とくに証明問題は、採点中に疑義が生じやすい。当然、採点に要する時間も長い。

埼玉県の公立高校入試では抽出答案というものがあって、各高校から採点された答案用紙が何枚か抽出され、県に提出される。県ではそれを県職員が改めて点検するのだが、なんとそこでも採点ミスが発見されるのだ。

各高校での受験者はだいたい400人前後、競争率の高い高校は500人を超える。採点する答案用紙は、多くても1教科600枚ほどだ。それでも採点ミスを0にするのは難しい。

受験生が数万人にもなる大学共通テストの記述式の問題。誰が採点するのか?おそらく大学生や大学院生のアルバイトを雇って採点することになるのだろう。

混乱が生じることは目に見えている。

ただ、受験生には結果の点数しか知らされないからクレームは出にくいと思われる。

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アクトイン代表:熊原