埼玉県公立高校入試問題令和2年(数学)

昨年度の入学試験では、数学の平均点が42点と低かったせいか、今回は比較的平易な問題が多かった。
 とくに作図の問題。直感で解答できてしまう。平均点が67.9点とかなり高かったのもうなずける。しかしながら、大問4の(2)は、かなり解法にてこずったと思われる。

私なりの、解答例を問題の下に書いときましたので、よろしければ参考にしてください。

①の解答例

点\(P\)の\(x\)座標を\(t\)とおくと、点\(P(t,\frac{1}{2}t^2)\)
点\(Q\)の\(y\)座標は\(\frac{1}{2}t^2\)で、点\(Q\)は直線\(l\)上の点だから、
直線\(l\):\(y=-x+12\) より
\(\frac{1}{2}t^2=-x+12\) よって点\(Q\)の\(x\)座標は
\(x=-\frac{1}{2}t^2+12\) よって、点\(Q(-\frac{1}{2}t^2+12,\frac{1}{2}t^2)\)
したがって、線分\(PQ,PR\)の長さは、
\(PQ=-\frac{1}{2}t^2+12-t,PR=\frac{1}{2}t^2\)
長方形\(PRSQ\)が正方形 ⇔ \(PQ=PR\) だから
\(-\frac{1}{2}t^2+12-t=\frac{1}{2}t^2\)
整理すると
\(t^2+t-12=0\) ⇔ \((t+4)(t-3)=0\)
⇔ \(t=-4,3\) ゆえに 求める点\(P\)の座標は
  \(P(-4,8),P(3,\frac{9}{2})\)

②の解答例

⊿BPQと⊿OPQは底辺PQが共通だから、高さが1:3になればよい。

点\(B(4,8)\),点\(P(t,\frac{1}{2}t^2)\),点\(Q(-\frac{1}{2}t^2+12,\frac{1}{2}t^2)\)


(ⅰ)線分\(PQ\)が点\(B\)より上にあるとき、すなわち、
   \(\frac{1}{2}t^2\gt8\)のとき

\((\frac{1}{2}t^2-8):\frac{1}{2}t^2=1:3\)
⇔ \(\frac{1}{2}t^2=3(\frac{1}{2}t^2-8)\)
⇔ \(\frac{1}{2}t^2=\frac{3}{2}t^2-24\)
⇔ \(t^2=24\) ⇔ \(t=\pm2\sqrt6\)
点\(P(\pm2\sqrt6,12)\),点\(Q(0,12)\)

(ⅱ)線分\(PQ\)が点\(B\)より下にあるとき、すなわち、
   \(\frac{1}{2}t^2\lt8\)のとき

\((8-\frac{1}{2}t^2):\frac{1}{2}t^2=1:3\)
⇔ \(\frac{1}{2}t^2=3(8-\frac{1}{2}t^2)\)
⇔ \(\frac{1}{2}t^2=24-\frac{3}{2}t^2\)
⇔ \(t^2=12\) ⇔ \(t=\pm2\sqrt3\)
点\(P(\pm2\sqrt3,6)\),点\(Q(6,6)\)

(ⅰ)(ⅱ)より 求める点\(Q\)の座標は
  \(Q(0,12)\),\(Q(6,6)\)

(補足)
 ①②共に、問題に「すべて求めなさい」と、書かれているので、「答えは1つではない」と気が付きます。
「すべて」がなかったら、1つだけ答えて終わってしまう受験生が多いのではないでしょうか。
 限られた時間の中で問4(2)を解くのは、一般の受験生にとっては難しいと感じます。

この記事を書いた人

アクトイン代表:熊原