茨城県公立高校入試問題令和3年(数学)

 茨城県の高校入試問題を見るのは初めてである。単純な計算問題はなく、すべて文章問題である。東京首都圏の問題とはパターンが異なる。今回の問題は、難解なものはなかったが、ミスを誘いやすい問題がいくつかあった。

 なお、入試問題は、茨城県のホームページでは、「問題は、著作権の関係で掲載できませんので御了承ください。」とのことなので、産経新聞のHPから頂戴させていただきました。したがって、少し鮮明さに欠けます。

では、規則性の問題の大問5から

 (1)は地道に数えると答えが導かれる。(2)は答えを選ぶだけなので削除法でなんとか答えは求まる。しかし、理由もしっかり把握しておこう。

「\(a\)の\(b\)乗」で1回目が4の目、2回目に5の目が出たから、「条件\(X\)」の数は\(4^5\) これは、かなり大きな数になるので、これを計算してもあまり意味がない。
$$ 4^5=4 \times 4 \times 4 \times 4 \times 4 $$ この数は、偶数でかつ4の倍数・・・とだけ確認しておこう。

そこで、コマが置かれる各マスに対応する数を表にまとめると右下のようになる。

まず、この表からわかることは、\(A,C,E\) は偶数、\(C,D\) は奇数であるということ。したっがて、\(B\)  と \(D\) は選択肢から外れる。答えは、\(A\) か \(C\) か \(E\) のどれかである。

まず、\(C\) は $$ 2+4(n-1), \quad (n=1,2,3,\dots) $$と表わされる数で、4の倍数に\(2\)がたされた数である。したがって、4の倍数ではない。

次に \(E\) は $$ 4(2n-1), \quad (n=1,2,3,4,\dots) $$と表わされる数で、確かに4の倍数ではあるが、\(4 \times 奇数\) である。しかし、\(4^5\) は、\(4^5=4 \times 4^4\) だから、\(4 \times 偶数\)ある。したがって、\(C\) のマスには\(4^5\) は対応しない。
よって、求めるマスは、残った \(A\) となる。

一応、\(A\)を検証 $$ 8=4 \times 2,\quad 16=4 \times 4,\quad 24=4 \times 6,\quad 32=4 \times 8,\quad \dots $$であるから、\(A\)に対応する数は $$ 4 \times 2n, \quad (n=1,2,3,4,\dots) $$と表わされる。
\(2n\) は、\(2\) から始まるすべての正の偶数を含んでいるから、\(4^5=4 \times 4^4\) は、\(A\) に対応している数である。

(答) \(A\)

慌てていると間違えてしまう、大問1(3)

 数量の関係を不等式で表す問題である。1000円で買うことができるので、うっかり、イを選んでしまう。間違えやすい選択肢を正解のウより上に持ってきているのが...さらに間違えやすくしている。

大問4の燃料の消費量と補給量の問題(2)もうっかりしていると、間違えてしまう。

20時間後から35時間後の補給量を求める問題だが、グラフ上では15時間の間に1500L補給されているように見えるが、消費されていることを忘れてはいけない。補給している間も自動運転しているのだ。したがって答えは$$ \frac{1500}{15} + 30=130 $$ である。

この記事を書いた人

アクトイン代表:熊原